このたび、『不審体・異常体検出装置(特許番号:6647489)』特許取得及び、海外特許出願に伴いましてプレスリリースを発行させて頂きました。
本稿では、当社が当該特許を使って何をしようとしているのか、そのアルゴリズムの一部を公開いたします。何かのお役に立てれば幸いです。
「アノラ」とは
市場規模の拡大傾向が続く防犯・監視カメラによって捉えられた映像データから「違和感」を検出し、クラウドに通知を行うしくみを考案し、プロダクト開発を進めています。
具体的には、当社がブラッシュアップしてきた下記の自社アルゴリズム群
- エッジ向け姿勢推定アルゴリズム「AsillaPoseV3 for Edge」
- 映像内の個体をトラッキングするアルゴリズム「TT」(*当社保有特許「対象数特定装置」特許番号:6525180)
- 新たに開発した自律学習アルゴリズム(Auto Learning)
をエッジAIデバイス(Xilinx Zynqシリーズ搭載のAVNET Ultra96V2, NVIDIA Jetson TX2搭載の各種デバイス etc) に実装することで、下記特徴を持つプロダクトを製作します。
- 安価かつ、コンパクトに
- 多様なシーンに最適化
- 人々の行動の違和感を検出する
ポイントは、現場空間に設置したエッジ上でリアルタイム処理するため、個人情報が堅牢に保護される点と、設置したシーンの空間情報を元にエッジ上で自律的に学習を行うことで、コストをかけずに当該シーンにおける最適なモデルを構築、実行できる点です。
具体的な検出対象の行動としては、
- 医療、介護施設での転倒
- コンビニ等での、通常の顧客や店舗スタッフと異なる動き
- プラットフォーム上での千鳥足
- マンションのエントランスでの不審な動き
などを「違和感」として捉え、通知できると想定しています。
また、クラウド上で姿勢推定の結果データを時系列分析することにより、行動コード(*当社保有特許「行動推定装置」特許番号:6525179)を付与することができ、実際にどのような行動が発生しているのかを定義づけることができるため、後続のオペレーションは状況に応じた効率の良いアクションをとることが可能となります。
これによって、年々増えゆく防犯・監視カメラ市場を、モノの販売や設置、映像を録画するだけでなく、さらに付加価値の高いものへ「アップデート」できると考えております。
特許の概要
【名称】異常行動検出装置
【狙い】時系列画像に映った不審体・異常体を高精度に検出する。
【内容】所定の地点を撮影した複数の時系列画像に映った人の通常の行動を関節の動きの情報として蓄積しておく装置と、同じ地点を撮影した複数の時系列画像に映った人が上記の通常行動とは違う行動をした場合にそれを検出する装置を持つことで異常行動を高精度に検出するものです。(参考:図1~図3)
出願日:令和 1年 6月 21日
登録日:令和 2年 1月 17日
特許番号:6647489
公報:2月中旬に発行予定
活用するアルゴリズム "Novelty detection"
Novelty detection is the identification of a novel (new) or unobserved patterns in the data (Miljkovi´c [2010]). The novelties detected are not considered as anomalous data points; instead, they are been applied to the regular data model. A novelty score may be assigned for these previously unseen data points, using a decision threshold score (Pimentel et al. [2014]). The points which significantly deviate from this decision threshold may be considered as anomalies or outliers. For instance, in Figure 4 the images of (white tigers) among regular tigers may be considered as a novelty, while the image of (horse, panther, lion, and cheetah) are considered as anomalies. The techniques used for anomaly detection are often used for novelty detection and vice versa.
ぜひ共同開発を
当社の知的財産やアルゴリズムを活用して共同でプロダクトを開発してくださる企業様を募集しております。
もしご興味をお持ちでしたら、ぜひ以下のウェブ問い合わせフォームからご連絡をお願いいたします。
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