昨夜は新宿で飲んで帰るときに雪が舞っておりましたが、今日は一転して小春日和の土曜日となりましたね。もうすぐ春ですね、ちょっとコーディングでもしてみませんか。
IT人材のイメージ・日本とベトナム
みなさんはベトナムと日本のIT人材にそれぞれどんなイメージを持っていますか?
私のイメージは下図です。
ベトナムのIT人材は地頭がすごくいいです。これを裏付ける客観的なデータが見つからなかったので上記はあくまで主観的なイメージですが、以下が状況証拠です。
ベトナムは国家として「IT立国」を標榜していることもあり、各県でトップクラスの頭脳を持った子供たちがハノイ工科大などに集結して、競うようにコンピュータサイエンスを学びます。一見穏やかに見えますがベトナムの皆さんは負けず嫌いなタイプが多いので切磋琢磨して学びます(ちなみに卒業後も同期をかなりライバル視してます)。
さらに、そこで教鞭をとるのは欧米各国の一流大学で情報科学を学び、自らコードを書けるような若い先生たちです。
ご参考:「IT産業に最高の優遇措置」を採るベトナム政府:ITpro
一方、日本のIT技術者の大半はコンピュータサイエンスを学んでいません。統計や人工知能を学んだ上で、人生のロードマップを描いているわけではない方が多数派だと思います。自分もそうなんですが・・^^;
先日、ある社長からすすめられて、西田敏行さん主演の『陽はまた昇る 』という映画を号泣しながら観たんですが、劇中に「人の夢は10年。信じてる‥‥信じてる」というセリフがありまして、情熱は注ぎ続けてなんぼ、つまり人生のロードマップがブレない人間が人を動かし最終的に成功するんだという教訓を得ました。
人生のロードマップはお持ちですか?
技術者必見の映画です。号泣してください。Netflixあります。
話がそれました。
もちろんQiitaなど技術サイトを見れば、すごく優秀な方もいるのは存じておりますが、正直なところボリュームゾーンは全体のなかで中段あたりに位置しているイメージです。
これは、誰がどうの、業界がどうの、と言うより「国家としての気合の入れ方」の違いです。第四次産業革命はITが鍵を握っている以上、どういう形であれ今後十年で顕著になってくるだろうとみています。
そんな優秀な脳を洗脳してみる
さて、そんなハイスペックな脳を持ったベトナムのIT人材たちですが、ビジネスやサービス企画開発のマインドセット、スキルセットを備えていない方が大多数です。
理由は簡単で、大学を卒業してからシステム開発、アプリケーション開発「しか」していないからです。しかも、毎回似たような業務を指示に従って開発することが多いのでかなり定常業務化していっています。
例)SQLクエリーショットして → データ取得して → HTML表示する
とかって、もはや誰でもできるような仕事であって、国家が大切に育成したエリートたちがやることなの?その優秀な頭脳は効果的に使われてるの?と疑問に思った次第です。それは「あなたがたの人生のロードマップに描かれていることなのか」と。
きっかけ
四年ほど前のある日、現アジラ・ベトナムCEOで、当時はオフショア会社のプロジェクトマネージャーとして私の会社の担当をしていたハイ氏とサシ飲みをしている折に、頃合いを見計らって彼に問いました。
「このままでいいんですか?本当はやりたいことがあるんじゃないんですか」と。
そしたら彼は目に大粒の涙をためつつ、
「私にはやりたいことがあります。でも今の状況ではできません」
と言いました。
なぜ「できない状況」かは長くなるので今回は書きませんが、これを機に彼のやりたいことを叶えてみようと思いました。私はPMPとしてグローバルプロジェクトマネジメントを極めようと思っていましたので、その一環としていい機会だと捉えたのです。
彼のやりたいことそれはズバリ「高度技術を活用した自社サービス開発」です。
具体的にやったこと
まず、高度技術案件を会社から引っ張ってきました。他部署のビッグデータ案件です。
次に、以下を認識してもらうよう、二年間に渡って毎日毎日話し続けました。二年間、エブリデーです。
- ユーザーニーズが最重要
- 次にスピード
- 開発は全体のほんの一部
- 運用考慮のない開発に価値はない
一年のうち平日はだいたい250日ですので、合計500日くらい上記に関する話題を掘り下げたり事例を出したりして延々としました。海外スタートアップの動向なんかもキャッチアップしてああだこうだと語り合いました。ハイ氏はよくぞ飽きること無く聞いてくださったと思います。まあウザいと思っていたと思いますが。
結果
「我々は夢を叶えるために起業します。木村さんはどうですか?」と言われたとき、「おぉ。いよいよか」と思うとともに気付いたことがありました。
毎日毎日、彼に向けて話をしていたはずなのに、結果的に洗脳されたのは自分自身でした。そして、高度技術で自社サービスを作るべく彼らにジョインし、彼らとの「桃園の誓い」を経て、いまのアジラに至ります。
いやぁ、まったくもってベトナムは気付きの多い国ですね。
人生変えちゃう国かもね。
ぜひお越しください。
以上、小春日和の町田からお伝えしました。