15日付けの日経によれば、製造業でもスマートファクトリー化が進んでいるようです。ドイツでいうところの「インダストリー4.0」ですね。
- 熟練技術者の大量退職に備え、AIでその技能を代替
- AI活用の検査機を開発、工場の操業管理に生かす
- 温度や圧力のデータを組み合わせ、熟練者しか見つけられない異常値をAIで読み取る
- AI分析を取り入れ、不良品の原因を特定
- 生産設備の燃料の残量や部品の動作回数を記録し、燃料の安定供給や設備の故障防止
- 深層学習(ディープラーニング)で半導体ウエハーの不良を素早く発見
出典:大手製造業「スマート工場」広がる IoTやAI駆使 :日本経済新聞
上記のなかで日本における重要なポイントは「熟練技術社の大量退職」だと思います。
これを「確実に発生するイベント」として考え、計画的にその代替技術を補っているかが、その後の各企業ごとの技術競争力に影響してくると想定されます。
先日、高校生たちの前で公演した際、質疑応答で「有名な陶芸家のつくる陶器を、AIが作れるか?」という質問を頂きました。
私の答えは「君、東野圭吾の『プラチナデータ』読んだでしょ?」と言ってはぐらかしましたが、正直なところ似たようなものは作れるかもしれませんが、実際は難しいと思います。
工場で画一的なモノや、ある特定の目的を持ったモノを作るのと異なり、陶芸の場合は画一的でなく目的も明確ではありません(目的はイケてる作品にすること?)。そこには「陶芸家のインスピレーション」が大きく影響してくると思います。外気温、土の水分、指の圧、回転数、釜の温度などはデータとして学習できたとしても、インスピレーションは定量化できないと考えています(教師あり・なしに関わらず学習にインプットデータは必要です)。
つまり、人工知能がどれだけ発達しても介入できないエリアがあると考えていまして、それが芸術であり音楽の世界である。と、そういった思い(願い?)を込めて、弊社のオフィシャルサイトはヴァイオリン弾きをトップに据えています。
ただ、Deepmind社の「アルファ碁」の一連の活躍について、トップ棋士をして「衝撃的なまでに型破りな」と言わしめる手を打ったそうで、囲碁には「勝つ」という目的があるにせよ、「インスピレーション」の要素を感じさせる大きな事件でした。
AIがどこまで進化するのか、楽しみであるとともに畏怖を感じながら今日もGPGPUを走らせています。